図書館職員が読んだおすすめ本を紹介します!
記念すべき1冊目は、先日発行した『図書館だより第20号』よりピックアップした外国文学です。
書名:消え失せた密画
著者:エーリヒ・ケストナー/著、小松太郎/訳
出版社:中央公論新社
請求記号:B943ケ
ISBN:978-4-12-207513-9
先日、「外国文学は苦手」という声を聞きました。しかし、子供のころはそんなことは気にせずに読書していた方も多いのではないでしょうか。外国文学に再挑戦する入り口として、「飛ぶ教室」や「エーミールと探偵たち」などの名作児童文学を多く手掛けたエーリヒ・ケストナーの、大人向けのミステリー小説をご紹介します。
話はデンマークのカフェから始まります。主人公は、善良を絵に描いたようなキュルツ氏。長年ドイツで肉屋を切り盛りしていましたが、一念発起して家出しているところです。
その日、食べきれないほどのウィンナーと格闘していたところ、美しい女性に声をかけられます。盗賊団に狙われている絵画を持ち主に送り届けるため、手伝いをしてほしいというのです。
話を引き受けたキュルツ氏ですが、正体不明の青年が仲間に加わったり、間の抜けた盗賊たちに騙されたり、そしてその盗賊たちも騙されたりと、話は二転三転していきます。はたして、絵画を無事に届けることができるのでしょうか…。
ミステリーといっても、愛嬌のある登場人物たちが活躍する、ユーモアたっぷりの話に仕上がっています。子供のころを思い出しながら、肩の力を抜いて読んでみてください。
今回ご紹介した『消え失せた密画』の紹介文が掲載されている図書館だより第20号はこちらからご覧ください。書名をクリックすると予約の画面に移ります。